予防と聞くとどんなことを思い浮かべますか?
インフルエンザや乳児の四種混合ワクチンなどの予防接種がわかりやすいところですが、予防ができているのかどうかはわかりづらいものです。ほかにも免疫力を上げて病気にかかりにくい体を作るといった予防もあると思いますが、これらは予防といってもリスクを下げるにとどまります。
むし歯や歯周病も目に見えない細菌が引き起こす病気ですが、この細菌はお口の中の歯垢(プラーク)の中で繁殖するので、目に見える歯垢を取り除いてあげれば症状を予防することができます。効果が実感できる予防と言えます。
お口の中に歯垢(プラーク)を残さないことで、むし歯や歯周病の原因になる細菌を、病気を進行させないレベルに維持するのがプラークコントロールです。
歯垢は、食べかすに含まれる糖類(ショ糖)から作られるため、お口の中を常に清潔に保つことが予防の第一歩で、それには、患者さまご自身が日常的に行っている歯みがきやデンタルフロス、歯間ブラシを使って行う「セルフケア」が適切に行われていることが重要です。
お口に合ったセルフケア商品をお探しの場合はいつでもお声かけください。
セルフケアをしっかり行っていても、磨き残しはできてしまうものです。磨き残した歯垢は歯石になり、セルフケアでは取り除くことができなくなります。歯石は表面がザラザラしているので、さらに付着した歯垢が簡単には取れなくなり、さらに歯石が大きくなる負の連鎖に陥ります。このような歯垢の磨き残しや歯石を取り除くのが、医療従事者が専用の機器を使ってクリーニングするのがプロケアです。
適切なプラークコントロールには、セルフケアとプロケアの両方が欠かせません。
むし歯や歯周病は、生活習慣と密接に関連かあります。
つまり、生涯の健康を維持するためには、長期的な目線で予防に取り組む必要があり、そのサポートをするのが定期検診です。
定期検診は、現在のお口の状態のチェック、これまでのお口の状態との比較、セルフケアの確認と不足があれば改善の提案、そしてプロケア(歯科衛生士によるクリーニング)を、患者さまに合わせた適切な周期で行います。
定期検診は、お一人おひとりの患者さまごとに毎回決まった歯科衛生士が担当します。
専属で担当することによって、お口の状態の変化にいち早く対応することができますし、患者さまに合わせた適切なセルフケアの指導ができます。患者さまのライフスタイルやライフステージに合わせた口腔衛生のアドバイスも行います。
お口周りで気になることやお悩みがあれば、担当の歯科衛生士にご相談ください。
妊娠中は、ホルモンバランスが変わる影響から歯周病や歯ぐきに炎症がおこるリスクが高くなります。また、歯周病が悪化すると、歯周病菌が血管を伝って全身に広がり、早産や低体重児のリスクが高まることも分かっています。
妊娠中は、特にプラークコントロールに注意することが大切です。安定期には歯科治療も行えますので、出産前にお口の環境を改善しましょう。
むし歯や歯周病は、自覚症状がなく進行していく病気なので、自覚症状があるときはかなり進行してしまっていることも多くあります。心当たりのある方はすぐにご来院ください。