むし歯は歯が痛くなる病気だと思っていませんか?
間違いではありませんが、むし歯は細菌が出す酸によって歯が溶かされて、失われていく病気です。痛みがなくてもむし歯は進行しますし、痛みが強いときには随分進行してしまっているかも知れません。
歯は全て揃っていて適切にかみ合うことで、食事をしたり、発声をしたり、体のバランスを整えるといった本来の機能を発揮します。
当院では、できるだけ歯を残すことを第一に考えて治療を行います。
むし歯で歯が痛むのは、歯の神経が痛みを感じるからですが、歯の神経は歯の中心に通っているので、むし歯が大きかったり、治療で大きく削らなければ、それほど痛むことはありません。当院は、歯を削る量を最小限に抑えておりますが、麻酔を使用するケースもございます。
針を使う際の痛みを極力軽減するために表面麻酔は必ず使用いたします。
むし歯を治すためには、むし歯に感染している部分を完全に取り除く必要がありますが、削ってしまった歯は元に戻せないので、できるだけ健康な歯は削りたくないものです。
しかし、歯はとても小さいので、この見極めには治療の精密さが求められます。
当院では、拡大鏡(眼鏡状に使用できるルーペ)で視野を数倍に拡大して治療を行います。肉眼では確認できないむし歯もしっかり見極めて、健康な歯を残しつつ、むし歯を取り除きます。
当院は、口腔内光学3Dスキャナーを完備しており、お口の中をスキャニングして、コンピューター上に三次元の歯型データを作成し、精密な詰め物や被せ物を作ることができます。
また、歯型を採る際の不快感を感じることもありませんので、型採りが苦手な方も安心してください。
一般的なむし歯の治療は、歯を削って、歯型を採り、歯科技工所にて被せ物を作製して、歯に装着します。治療が完了するまでには数回通院する必要があります。
当院は、被せ物を院内で作製できるCAD/CAMシステムを完備しているので、むし歯治療の工程を大きく簡略化できるため、ほとんどの場合に最短1日で治療が完了します。
歯の神経とは、歯の中心を通っている神経や血管が束になっている歯髄(しずい)という組織のことを指すのが一般的です。
むし歯が進行して神経が露出してしまうと、神経が菌に感染してしまい、歯ぐきが腫れたり強い痛みが出ます。このような場合、後述する根管治療を行って神経を取り除くことになるのですが、神経には歯に血液や栄養を届ける働きがあるので、歯が枯れ木のような状態になってしまい、簡単に割れたり欠けたりと歯の寿命を縮めてしまうことに繋がります。
歯は体の中で最も硬いエナメル質という組織に覆われており、その中に象牙質、さらに中心には歯髄という神経や血管が束になった組織があります。
むし歯が深くまで進行して歯髄が感染してしまうと、歯ぐきは腫れたり強い痛みを伴う症状が現れ、根管治療が必要になります。根管治療とは、管の中を洗浄・除菌した後に封鎖する治療です。
根管治療は、目に見えない細菌を除菌しなければならない治療であることから、日本の歯科治療においては成功率が高い治療とは言えないのが実情です。再治療を繰り返すことで、歯を抜かなければならなくなってしまうことは避けたいものです。
当院では、根管治療の成功率を上げるために、ラバーダムというゴムの膜で、治療する歯以外を覆って治療をします。(ラバーダム防湿法)唾液に含まれる細菌による治療中の感染を防止することができるため、根管治療の成功率を上げることができます。
歯の神経が感染して根管治療を行っても痛みが取れない、あるいはすぐに再発してしまうようなケースがあります。
このような場合、感染した歯髄が取り切れていない、治療中に再感染していることが疑われますが、適切に根管治療を行っても繰り返してしまうときには、感染源が根管治療では取り除けない位置にあることが考えられます。
歯の歯ぐきより上の部分を歯冠、下の外から見えない部分を歯根を言いますが、根管治療を行っても症状の改善が見られない場合、感染源が歯根の外にあることが考えられます。その場合、当院では、外科的な処置により直接感染源を取り除く根尖切除術が行えます。
感染源を取り除き、MTAセメントという、封鎖性が高く生体親和性が高い(身体に馴染みやすい)材料を使って、通常は歯冠側から行う根管治療を、歯根側から行う逆根管治療を行います。
繰り返す根管治療でお悩みの方は、是非ご相談ください。
当院は、生まれてからお亡くなりになるまで、できるだけ健康な歯で質の高い生活を送っていただきたいとの想いから、悪くなったら治療するではなく、悪くならないようにする予防歯科に力を入れています。